レッスルマニア出場を巡るベッキー・リンチとコフィ・キングストンの受難
こんばんは、和南城ひろたです。
さて、現地時間で4月7日はWWEでも最大級の大会である、レッスルマニアが開催されました。
皆さんのお気に入りの選手たちは、祭典で勝利を掴むことが出来ましたかな?
今回は、そんなレッスルマニア(以下“祭典”)への出場権を茨の道を通って獲得した2人の話と、ビンス会長が考えることを勝手に想像して記事にしました。
それでは、お楽しみください。
1.試練を乗り越えた2人のスター
まずは、“THE MAN”(超雄)ことベッキー・リンチ。
ベッキーはロイヤルランブル戦で勝利したため、ロンダ・ラウジーが持っていたRAW女子王座に挑む予定でした。
しかし、ランブル戦で負った膝の負傷を巡ってステフ(ステファニーマクマホン)やトリプルHと一悶着ありました。
結局、すったもんだでこの2人とは和解することになったのですが、今度はビンス会長から「生意気だ」という理由で、60日の謹慎処分を受けました。
※この謹慎が解けるのはレッスルマニアの4日後。つまりベッキーのタイトル戦は取り消しに。ベッキーの代役として選ばれたのは、彼女のライバルである“女王”ことシャーロット・フレア。
当然、この結果にベッキーは納得がいきません。
彼女はシャーロットやラウジーが出場しているところに悉く乱入し、松葉杖を突きながらも暴れ回ります。
その暴れっぷりに、ついには警察に逮捕され、WWEから訴訟を起こされる寸前までいきました。
最終的には、ベッキーは祭典での王座挑戦を懸け、膝の負傷が完全に開封していない状態でシャーロットと戦わされます。この試合にRAW王者のラウジーが介入したことにより、シャーロットに反則判定が下り、ベッキーが勝利。ようやく祭典での王座挑戦が決定しました。
このように、ベッキー・リンチが歩んだ祭典への道は、とても険しいものでした。
とはいえ、彼女にも落ち度があったとは思います。
膝の負傷を巡ってステフやトリプルHと揉めた際に、2人に思いっきりビンタしたりしていましたので、ビンス会長が「生意気だ」と思うのもまあ何となく分かります。
一方、ベッキーとは異なり、何も悪いことをしていないのに散々な目に遭ったスターがいます。それがコフィ・キングストンです。
コフィの祭典出場までの経緯は説明していくとかなり長くて複雑になりますので、以下に箇条書きとさせて頂きます。ご了承ください。
※全部知っているし読むのが面倒だよって方は、箇条書き部分は読み飛ばしていただいても構いません。
・まず、ムスタファ・アリの負傷欠場により、コフィがイリミネーション・チェンバーでのWWE王座の挑戦権を得る。
・チェンバー戦の出場順を賭けたガントレットマッチで、コフィは王者ダニエル・ブライアン、ジェフ・ハーディ、サモア・ジョーと立て続けに戦い、この3人を破るという大健闘を見せる。←ここでコフィフィーバーが起こる
・チェンバー戦で王者ブライアンと共に最後まで残るも、惜しくも王座戴冠ならず。
・その翌々日のスマックダウンにて、WWE王座への次の挑戦者決定戦が行われ、そこでコフィが内定する。
・しかし、その翌週のスマックダウン冒頭、王座戦の調印式にビンス・マクマホン会長がやってきて、コフィの挑戦権を取り消し、代わりにケビン・オーウェンスを挑戦者にする。
・コフィ、そして彼と同じグループであるニューデイのメンバー、ウッズとビッグEが会長に直談判し、WWE王座が3wayマッチになる。
・しかし、コフィはWWE王座ではなくBARとのハンディキャップマッチを戦わされる。
・その翌々週のスマックダウンにて、コフィのレッスルマニアでの王座挑戦権を賭けたガントレットマッチが行われ、そこでBAR、ジョー、ランディ・オートン、ローワンの5人を倒し、挑戦権獲得と思われた。(なお、このガントレットマッチが組まれたときは、この5人を倒せばコフィ挑戦権を獲得できるという条件だった)
・しかし、またも会長が出てきて、「お前の王者決定は最後にもう一人倒してからだ」と言う。そして直後に当時のWWE王者ブライアンと戦わされ、コフィが敗れる。
・さらにその翌週のスマックダウンにて、ニューデイが退団をチラつかせてビンス会長に直談判をしたところ、今度はコフィの王座挑戦を賭けてウッズとビッグEの2人が、タッグでガントレットマッチを戦うことになる。
・そこでウッズとビッグEは、ギャローズ&アンダーソン、ルセフ&中邑、BAR、ウーソズ(当時のスマックダウンタッグ王者、なお棄権)、ブライアン&ローワンを下し、ここでようやくコフィの王座挑戦が決まる。
コフィ並びにニューデイ、本当にお疲れ様でした!
さて、コフィもベッキーもビンス会長に振り回される形で、このような苦難の連続に見舞われることになりました。
次章では、ビンス会長が何を思って2人をこんな目に遭わせたのかを勝手に想像して書いていきます。
ですので、もう少しの間お付き合い下さい。
2.ビンス会長の狙い
WWEを観ている方ならご存知かと思いますが、ベッキーとコフィは、今や団体内でも指折りの大人気スター選手です。
そんな2人に先述のような扱いをしたのは、紛れもなくビンス会長です。
では、なぜビンス会長はこの2人を不遇し、もしかしたら祭典に出られなくなるかもしれないような采配をしたのでしょうか。
「一体、ビンスは何を考えているんだっ?!」
「もしかしたら、ビンスはおかしくなったのかも知れない……」
みたいな事を思った人もいることでしょう。
でも、安心してください。
ビンスは至ってまともです。
ならば、どうしてビンスはそんな一見クレイジーとも思えるようなことをしたのか。
その答えは、勿論……?
トランキーr……じゃあなくて、
それはベッキーとコフィの人気を大爆発させるためです。
「ヤベェ! ひろたまでおかしくなっちまったぞ!」
なんて思った方へ、安心してください。
ワイがおかしいのは元からです。
冗談はこれくらいにして、本題へ戻ります。
人気者になってもらうために酷い扱いをする。
一見矛盾しているように思いますが、実はあながち間違いでもありません。
だって、ロウやスマックダウンをご覧になっている方は、この2人の祭典出場を全力で応援していましたよね?(根っからのアンチは別だと思いますが)
「ベッキーまじカワイソス」
「コフィ頑張れ!」
「BARめ、なんて酷い事しやがる!」
なんて、思いながら観ていましたよね?
ワイもコフィが祭典での王座挑戦を決めたとき、思わずガッツポーズをしたものです。
多分、今年に入って1番喜んだんじゃないかなぁと思います。
そう。人間は、不遇な立場にいる者を応援したくなるのです。
それはWWEを観戦している観客、視聴者だって同じ。
ロウやスマックダウンも、回を追う毎にベッキーコールや“コフィを出せ”の声が大きくなり、会場中がほぼ2人への支持一色になっていったのを思い出してもらえれば明らかですね。
それは、どれだけ理不尽な目に遭っても、それでも挫けずに頑張ろうと立ち上がる2人の姿に心を打たれ、応援したくなったからに他ならないのです。
まさに、これこそがビンス会長の狙いだったのかもしれないと、今になって思う次第です。
つまり、あえてコフィとベッキーを不遇することでファンの同情を誘い、2人に支持が集まるようにした。
そこまで考えて観客の心理を動かしている辺りは、流石だなあと感嘆するばかりです。
ちなみに、不利な状況にある人を応援したくなる心理状態を、アンダードッグ効果と言うらしいです。
ビンス会長も、このアンダードッグ効果を狙って、コフィとベッキーに試練を与えたのかもしれませんね。
※しかし、もしかしたら一番災難だったのは、祭典前にタイトル戦を組まれてシャーロットにベルトを奪われたASUKAだったのかもしれない……。
・今回の総括
初回となる今回は、かなりボリューミーな記事になってしまいましたね。
プロレスは、その試合内容や選手たちの濃いキャラ性が見ていて楽しいって人が多いと思います。
ですが、たまにはこういう視点からプロレスを見てみると、また違った面白さがあるのかもしれませんね。
それでは、次回の投稿まで
トランキーロ、あっせんなよ